DIG the ACT vol.2
ADAM ET ROPÉ HOMMEから今季、新たなラインがローンチします。それが『ACT(アクト)』。
都市生活を優雅に、快適にクルーズするための機能やフォルム、ディテールを引っ提げたコレクションです。
ファーストコレクションとなる今季は、世界的にも指折りのアメリカの羽毛サプライヤー、ALLIED FEATHER + DOWN(アライドフェザーアンドダウン)社のALLIED FEATHER(アライド・フェザー)を贅沢に使用しました。前回は軸となるラインを含めた3アイテムをご紹介しましたが、今回は春先までの活躍を約束する頼もしいラインアップをご覧いただきます。
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モードなアプローチにより生み出したダウンパンツの新機軸
ACTでは、特徴やアプローチの異なるアイテムをナンバーでカテゴライズ。着想の原点となった都市の通称道路名やエリアからモデル名を落とし込んでいます。
前回取り上げた「01〜09番台」は本コレクションを象徴するアイテムを、「30番台」はコラボレーションアイテムをラインアップしています。では「10番台」はというと、着こなしをそれひとつで完結させられる存在感のあるアイテムを取り揃えました。そのインスピレーションの源はNY。必要最小限の服にしか袖を通さないものの、佇まいは実にクール。そんなニューヨーカーたちの姿からヒントを得たアイテムを用意しています。
ファーストシーズンでは唯一のボトムスとなるBroad(ブロード)は、劇場がひしめき合う華やかなエンターテインメントストリートでも知られるブロードウェイからインスピレーションを得ました。昨今、アウトドア熱の高まりもありダウンパンツがボトムスの新たな選択肢として頭角を表してきましたが、ACTでは異なるアプローチで仕上げています。
シルエットは、ウエストやモモ周りに程よくゆとりをもたせつつ裾へ向けシェイプを入れたナチュラルなワイドテーパード。ADAM ET ROPÉ HOMMEのスラックスでも採用しているパターンだけにその佇まいはどこかエレガントさすら漂います。そして、肝心のダウンはというと…。
そう、ポイントはずばり、大胆に幅広に設計したウエストライン。こちらに650フィルパワーの高品質ダウンを入れ、プリーツを深めにとりながらゴム仕様にしました。それにより、お腹の冷えを防ぎ、自由自在のフィッティングも可能にしています。機能面はもちろん、ウエストのドローコードを絞ったハイウエスト風の着こなしや、折り返してウエストにアクセントを加える、または内側に折り返して穿くなど多彩な着こなしを楽しめます。
カジュアルとエレガンスを行き来する一着
ADAM ET ROPÉ HOMMEにとってシャツは大切なアイテムです。それは、ドレス工場で縫製しつつさりげなく抜け感を取り入れたインラインのアイテムからもお分かりになるかと。それもあり、ACTのコレクションにもラインナップさせています。
Park(パーク)と名付けたこちらは、マンハッタンの中心にあり、ニューヨーカーたちの憩いの場にもなっているセントラルパークに端を発します。都会的なスタイリングはもちろん、デイオフの公園も気兼ねなく使用できる、そんな一着なのです。
フロントラインはすっきりとした比翼仕立てと誰もが思うかもしれません。ただ、よくよくご覧いただきますと、ボタンを覆った生地を通常とは真逆の表側に折り返しカンヌキ留めで縫い付けるという、まさに“逆比翼”仕立て。その意表を付くユニークにして先鋭的なディテールワークもまたACTらしさといえます。
先ほど紹介したBroad同様、軽量な仮撚りナイロン糸を使用しているためストレッチやキックバックなどの機能面に優れま す。とはいえ、キメが細かい糸の特性からその趣は実に上品です。
最先端の都市型ダウンは“一点投入”がカギに
「20番台」では、デタッチメント、いわゆる着脱可能なディテールに特徴のあるアイテムを揃えました。そのアイデアの源流はロンドン。伝統と格式、そして文化としても成熟した街ではありますが、不安定な天候でも有名です。とはいえ、傘をさす人はごくまれ。そんな現地の空気感、温度感がアイテムのひとつひとつに感じられるラインナップとなっています。
象徴するアイテムのひとつがこのLeicester(レスター)。ポイントはネック部分。ダウンを封入した着脱可能なネックウォーマーを装備させました。ゆえに気温に合わせて対応でき、単体としても利用できます。
さらには、ドロップ気味のショルダーにゆとりのある身頃が今の空気にマッチし、スラックスと合わせても違和感を覚えさせません。その懐の深さがインナーの選択や動きの自由、さらにはレイヤードのしやすさに直結します。
その裏地には、一般的なアウトドアブランドが採用している高機能ラミネート膜を採用。縫製部分にシームテ ープを施し、止水ファスナーを採用したことでレインウエアとしても機能します。